2013/06/15

イノセントガーデン


パク・チャヌクのハリウッド第一作。
ほんとにハリウッドへいったんだなあ〜と、思う。
そして映画を観て、またしても日本は遅れたな〜と、思う。
まあ比べるところは何もないんだけど......。
イノセントガーデンの前に、ウォン・カーウァイの「グランドマスター」を観たから
よけいに素晴らしく感じてしまったのかもしれない。
ウォン・カーウァイってアクションを撮ったとしてもだよ、
ワイヤーアクションじゃないでしょう、と思うんだけど......。

「イノセントガーデン」原題「STORKER」(原題の方がもちろん好き、ストーカーみたいで。
実際は、ストーカー家のストーカーだけれど。血筋がとても重要。)
脚本はなんとなんとというかハァそうですかというか、
プリズンブレイクの主演俳優、ウェントワース・ミラーである。
まさか彼がこんな閉じたゴシック趣味全開物語を8年もかけて練ってきただなんて、
さすがに驚く。けれども、彼は長年のゲイ疑惑(ハリウッドのカミングアウトする人としない人の差ってなんなの?)
ぷらすとても頭良いんだよね。大学とかも。だから妙になっとく。
ハリウッドの好みそうなネタなのにそこまで全面に出してない??気がするのも良い。
パンフレット買うまで、知らなかったし。

この、ポスターメイキングがとても素敵。
BGMは主題歌。気になっていたアーティストの名前はEmily Wellsというみたい。






もうずいぶん大人目線になってきたはずだけど(おかげで大作好きだよ)
やっぱり、こういうものは好きなのである。
閉鎖空間に数人だけの登場人物で、冷たい空気と美しい調度品。
まず土台としてこういう血でできてるから、やっぱりいつまでたっても好きなんだなあ。
十分に中二病。

スタッフはブラックスワンのスタッフらしいけど、
そういうスマートなプロが作った空間な感じはありました。
衣装がすごく良かった。
こういう、ひざ丈スカートとブラウスというシンプルな洋服が
似合う女性になりたいとずっと昔から思う。

この二作が思い浮かんだ。


「薬指の標本」

薬指


「セクレタリー」

セクレタリ


なんでだろうと思ったけど
ひざ丈スカートの女性が閉鎖空間で濃密な関係性に精神的に囲われていく話
という点で一緒
STOKERは家族の話でもあるけれど。

そういえば、1Q84のインタビューで、村上春樹が
「物語は精神的な囲いこみに抵抗していくものでなくてはならない」
と話していたけれど、
わたしがまさに中二とか多感な時期に映画に追い求めていたものは
精神的な囲いこみ、のようなものに対するあこがれだったような気がする。
もちろん春樹の言っているものとは質が違うけれど。

それにしても、
現実の世界では地に足をつけて歩きます。